【西京附中志望】8/30(日)実施「小6サマープラクティス」の講評を公開いたします
2020/09/12
適性検査Ⅰ:西京「国語」分野
問一
完答している人も多く、正答率が比較的高い問題でした。長めの記述問題ですが、型をしっかりと覚えていることがわかり、高得点につながっていました。基本的な型になるので、対策ができていれば差をつけられることはないでしょう。
問二
想定よりも低い正答率でした。間違えた人は皆さん同じ選択肢、(ア)を選んでいました。漢字問題はとれる問題です。選択肢は一度すべて確認し、落ち着いて、確実に得点しましょう。
問三
高い正答率でした。みなさん、接続語の問題はバッチリですね。洛ゼミや家庭学習で何度も特訓した成果が出ています。本番でも自信を持って、接続語問題を解いてください。
問四
完答している人も多く、正答率が比較的高い問題でした。この問題は、二つの課題文のうち短いもの(文章Ⅰ)を要約する問題です。文章Ⅰはキーワードがわかりやすいため、解きやすい問題だったのではないでしょうか。西京国語では課題文が二つ課されますが、今回のように、そのうち読みやすい方の文章問題をしっかり得点することが大切です。
問五
正答率はまずまずでしたが、完答した人は少ない問題でした。問四は文章Ⅰに関する問題でしたが、こちらは文章Ⅱに関する問題、主に文章Ⅱがある5ページ上段の内容をまとめる問題です。
西京国語では、このような、問題文の空欄に合わせて文章内容を抜き出す(またはまとめる)問題がよく出されます。問題文中のキーワードと課題文を照らし合わせながら、抜きだした内容と問題文との整合性を必ず見直しましょう。
問六
低い正答率でした。問題文中には「〈文章Ⅱ〉のこれより後の部分から探し」とあり、注目すべき文章箇所が指定されています。指定された文章箇所のうち「カルチャーショック」が用いられている文章・文脈と、同じキーワードが登場する文章を探してみましょう。
ていねいに見直せば、確実に答えが見つけられるはずです。このように、「同じ意味で用いられている言葉」を探す問題は、その言葉自体に注目するのではなく、「その言葉が使われている文章」中のキーワードにも注目してみましょう。
問七
まずまずの正答率でした。満点の人はあまりいませんでしたが、この問題は満点でなくても大丈夫です。みなさん自分で内容を考え、自分の言葉で解答することが出来ていましたね。いろいろな解答があり、採点していて大変興味深い問題でした。
問八
Aの正答率は低く、Bの正答率はとても高い問題でした。Aは文章Ⅱ中から三字を抜き出す問題でしたが、課題文の内容以前に、まず問題文の内容を正しく理解できていたでしょうか。問九の講評でも書きますが、問題文が問うている内容を正しく理解してください。そのうえで課題文を参照しましょう。正答以外のAの解答には、かなり内容がずれているものが目立ちました。解説を読みながら、もう一度解きなおしましょう。
問九
・〈一段落目〉について
文章Ⅰ、Ⅱそれぞれから学んだことを書かなければいけない問題でしたが、問題文の指示を守っていない解答が目立ちました。多かったのは、文章ⅠとⅡの片方にしか触れていない答案です。「文章ⅠとⅡそれぞれから読み取れること」で、「それぞれ」とあることから1つずつ触れておく必要がありました。
ただ、問われる内容は、年によって変わり、年によっては「文章ⅠとⅡの共通点」を描くこともあります。必ず問題文を読み、問題の指示や解答で守るべき条件に沿った解答をしてください。指示を守っていない解答は、本番で採点してもらえない可能性もあります。次回から必ず気を付けてください。
また、今回は一段落目で7〜8行ほど書いて二段落目で十分な量をかけていない作文が目立ちました。西京の一段落目は4〜5行ほどにおさえましょう(西京の作文では一段落目よりも二段落目が評価されていると考えられます)。
・〈二段落目について〉
こちらも問題の意図と合わない答案が目立ちました。「京都に」外国人を受け入れるうえで大切にするべきことを書かなければなりません。「京都」という条件に触れられていない答案が非常に目立ちました。また、主張が課題文の内容の繰り返しになっている答案も多くありました。
西京国語の作文では、一段落目で課題文の内容理解、二段落目で「あなたの考え」を問うています。筆者の考えを参考にするにしても、全く同じ内容を書くのは避け、少しでもいいのでオリジナルの考えを足しましょう。加えて、主張と理由を書くのみで、補足説明や具体例がない答案も目立ちました。
西京の作文は字数が少ないため、今回のように一段落目に文章ⅠとⅡそれぞれから学んだことを書く場合、補足説明を書く字数がない人が多かったのではないでしょうか。西京国語の作文では、一段落目を簡潔に書くようにし、浮いた字数を二段落目に補足説明や具体例に使いましょう。これらがあるだけで、作文の読みやすさや説得力はかなり変わってきます。
作文で大切なのは、まず「問題が問うていることに正しく答えていること」「条件を守っていること」、そして何より「読み手が読みやすい文章になっていること」です。補足説明や主語述語の対応に少し気を付けるだけで、作文はぐんと読みやすくなります。みなさん、自分の作文を読み直してみてください。一読して「あなたの考え」が理解できる作文になっていますか?
適性検査Ⅱ:西京「算数」分野
かなりボリュームのある出題で、制限時間内に解ききるのが大変だったと思います。【問題1】【問題2】【問題4】は比較的解きやすい問題だったと思います。最後まで難しい問題を粘るのも良いですが、解きやすい問題を確実に時間内に解くことが受検では重要となります。残りのプラクティスで時間配分の練習をしておきましょう。
【問題1】
割合資料読み取りの基礎問題です。計算もそこまで大変ではないと思います。全員に全問正解して欲しい問題です。しっかりと復習しておきましょう。
(1)(2)割合の基礎的な問題でした。必ずできるまで復習してください。
(3)円グラフの表し方に関する問題です。割合を用いた資料読み取り問題は社会などでもよく出題されます。よく復習しておきましょう。
(4)ブルーギルの割合を計算ミスしている人が多かったように感じます。日頃から小数や分数の計算に慣れるトレーニングをしておきましょう。
【問題2】
倍数・約数を利用した問題です。内容は基本的ですので、出来ていなかった人も解説を読んで解けるようになるまで復習して欲しいと思います。
約数や倍数の個数を答える問題では、ベン図を利用すると一気に解答しやすくなります。
普段ベン図を使い慣れていない人でも、これを機会にベン図を描けるようになっておきましょう。
(1)(2)約数の個数を答える基本的な問題です。公約数があることに注意して計算を進めましょう。
(3)条件が少し複雑なので、ベン図を利用して解くと良いでしょう。多くの方が正解できていました。よく頑張りましたね。
【問題3】
速さに関する問題です。わりとオーソドックスなテーマを出題しています。西京算数では毎年、速さの問題で差がつく傾向にあります。しかし、それと同時に難易度がやや高めに設定されていることが多くなっています。
最後まで解けなかったにしても、どこまで食らいついていけるかが大きな分かれ目になります。時間内で解けなかった人も、解きなおしのときには、この問題も必ず解いて理解できるようにしましょう。
(1)(2)グラフの形から、水そうがどのような状況にあるのかを読み取って答える問題でした。速さの問題において、最も重要なことは場面で(速さが変わったときなど)に分けて、その場面ごとに速さを考えるということです。それを考える手助けとなるのが、解説冊子にあるような「状況図」です。速さの問題を考えるときは、必ず状況図をかくようにしましょう。
(3)これまでの問題が解けていれば、時間をかければ正解にたどり着くことが出来る問題だったのではないかと思います。ただ、時間制限もある中で正答までたどり着くのは至難の技だったと言えます。余裕がある方は、解説冊子を読んで復習しておいてください。
【問題4】
西京算数の大きな特徴である「地道に試していく」問題です。これに賢い攻略法はありません。いかに、ミスなく正確にすばやく考えられるか、がカギです。解説を読むときも、実際に自分で手を動かしながらやり直しをするようにしましょう。
(1)(2)地道に試していく問題では頭の中だけで考えるだけではなく、実際に書き出して考えることが重要となります。書き出す際には、同じものを数えたり数え落としがないように、「自分ルール」を決めて書き出すようにしましょう。思いついた順に書いていては、必ず数え間違いをしてしまいます。
(3)これまでの問題と解法に大きな違いはなく、地道に考えて試していく問題でした。ただ、正答率は4割程度となっており、問題の難易度の割にはできている人が少なかったように思います。逆に考えれば、そこまで難易度の高くないこの問題ですら4割程度の正答率となっているので、ここをしっかりと得点することができた人は合格までの道のりがグッと短くなったと言えます。
みなさんが復習するべき問題は難問ではありません。この問題のような落ち着いてやれば解けるけど、ちょっとだけ面倒な問題こそ復習する価値があると言えます。
【問題5】
とうめいな立方体の箱の中に入っている玉の種類を答える問題です。問題文がかなり複雑で、立体図形に慣れ親しんでいる人でないと苦労したのではないかと思います。この問題は、「スライス図」をふんだんに活用する問題です。
この問題をしっかり復習しておくことで、かなり立体図形についての力がつくと思います。少し大変ですが、周りの人の力を借りながらでも良いので、頑張って復習してみると良いでしょう。
(1)立体図形に慣れていない人は、この問題も苦戦したのではないでしょうか。この問題は立体図形の基本的な出題になっていますので、解けなかった人がよく復習しておくと良いと思います。
(2)鏡の反射を理解できるかどうかがこの問題の鍵でした。この問題も難易度は高くないと思います。(1)が解けていれば、落ち着いて問題を読むことで解くことができたと思います。今回解けなかった人もぜひもう一度チャレンジしてみてください。
(3)かなり高度な内容の出題となっていました。スライス図を書いて、1段1段しっかり鏡がどのように光を反射しているのかを考える必要がありました。この手の問題を解くときによく使う手法が、「何も入っていない(色がついていない)立方体にマークをつける」というものです。少しずつ正解の候補をしぼって考える必要があります。苦手な方は、まず(1)(2)が解けるようになりましょう。
適性検査Ⅲ:西京「理科」分野
【問題1】
ふりこの性質に関する問題でした。ふりこの長さ・ふれはば・おもりの重さといった基本的な性質だけでなく、これらを応用した計算問題も出題されていたため、実践的な難易度の出題であったと言えます。
(1)記述問題でしたが、多くの方が正答できていました。決して難しくはない問題ですが、正解答案を書くのは案外難しいものです。正解できた方は素晴らしいと思います。「平均を取るため」では、なぜ平均を取るのかが伝わりません。「誤差を小さくするため」ともう一歩踏み込んで理由を書きましょう。
(2)数値を答える問題でしたが、内容は基本的な問題でした。ふりこの性質をよく理解しておきましょう。
(3)このタイプの問題を見るのは初めてではないでしょうか。かなり多くの方がつまづいていたように思います。身の回りの現象がどのようにして起こっているかを学習することは大事なことです。最近はインターネットで動画を見ることもできると思いますので、イメージがつかない方はぜひ動画などを見てみてみください。
(4)I は多くの方が正解できていたように思います。写真はふりこが、いちばんはしと真ん中にあるときの様子を表しています。ふりこが1往復する時間を表から読み取る問題は頻出問題です。しっかりと復習しておきましょう。
Ⅱ はほとんどの人が正解できていませんでした。ただ、この問題は非常に難易度が高く、本番で出題されたとしても、時間に余裕がなければ解く必要はない問題だと思います。もし、解説を読んでもあんまりよく分からないのであれば、無理して復習する必要はないと思います。
【問題2】
メダカに関する問題でしたが、単純にメダカに関する知識を問うだけでなく、「標識再捕獲法(ひょうしきさいほかくほう)」と呼ばれるメダカの研究方法についても出題しました。もちろん教科書では習っていないことだと思いますが、問題文を良く読んで、科学的に思考すれば正解にたどり着けるように問題を工夫しています。
西京では、教科書に直接書いていなくても、習った知識と問題文を組み合わせて科学的に思考する問題がよく出題されます。今のうちから慣れておくと良いでしょう。
(1)(2)標識再捕獲法に関する問題でした。計算問題もありますが、問題文をよく読めば正解に辿りつくことができたと思います。正解できなかった人も、解説をよく読んで復習してみてください。分からなければ、洛ゼミの先生などに質問してみましょう。
(3)基本的なメダカの飼育法に関する問題でした。教科書に載っている基本的な知識問題です。今のうちから基本的な知識の抜けもれがないように、しっかりと復習しておきましょう。
(4)みなさん良く書けていました。しかし、満点をもらえた人はかなり少ないのではないでしょうか。「養分」という単語はかけている方がかなり多かったですが、「Aの部分」に入っている「養分」を「成長」に使っている、ところまで書けていた人はかなり少なかったです。・・・・
【問題3】
ものの燃え方とロウソクに関する問題でした。記述問題が多く手間のかかる問題でしたが、出題されている内容は基本的なことばかりです。特に多くの方が理解できていなかったのは、「二酸化炭素」には火を消す働きはないということです。どんなに周りに二酸化炭素がたくさんあっても、酸素があればロウソクは燃え続けることができます。
勘違いしやすいポイントですが、非常によく出題されるポイントでもあります。解説冊子をよく読んで、必ず復習しましょう。
(1)(2)① ほとんどの方が正解できていたように思います。基本的な問題をちゃんと正解するのは大切なことです。
(2)二酸化炭素には火を消す働きはないということと、「対照実験」を利用することに注意して書きましょう。実験をするときには、必ず「対照実験」を行います。対照実験とはどういう実験なのかを過去の洛ゼミのテキストなどでよく復習するようにしておいてください。
(3)正解答案を書けていた人は本当にすごいと思います。よくできましたね。ほとんどの人が見当違いな答案を書いていました。難しくはないはずなので、解説冊子を読んで理解するようにしてください。
洛ゼミ製作科講師
稲葉健斗
適性検査Ⅲ:西京「社会」分野
問題4 外国とのかかわりに関する問題
(1)
歴史のキーワードをもとに、資料の並び替えを行う問題です。「資料の並び替え問題」は西京社会において頻出の問題なので、必ず復習しておきましょう。なお、問題の出来としては非常によくできていました。
(2)
与えられた資料とカードの時代を結び付ける問題でした。Fについて、浮世絵であり、江戸時代の文化の資料です。この問題は比較的できていました。Gについて、寝殿造の資料であり、平安時代の資料です。この問題は非常によくできていました。Hについて、文明開化の資料であり、明治時代の資料です。この問題は比較的できていました。
(3)
この問題は縄文時代から弥生時代にかけて、米作りが始まったことで、人々の生活がどのように変わったのかを聞く問題でした。このようなある出来事をもとに歴史的にどのような「変化」がおきたのか聞く問題は西京社会において頻出です。
ぜひ今後、歴史の勉強をする際に歴史の転換点となる「重要な出来事」に注目してみてください。なおこの問題の出来は(ⅰ)については「安定した」というキーワードが答案に入っている答案が少なく、部分点のみの答案が多かったです(ⅱ)については比較的よくできていました。
(4)
(ⅰ)の問題は肖像画を見て、その人物を答える問題でした。肖像画の人物を誰か判別できることによって、様々な問題を解くうえでヒントになります。教科書に載っている人物の肖像画や写真は必ずだれかわかるようにしておきましょう。問題の出来としては非常によくできていました。
(ⅱ)の問題は徳川家光のした政策について、尋ねる問題でした。歴史的なキーワードを参考することで、消去法でも解くことのできる問題でした。この問題の正答率は高かったです。
(5)
(ⅰ)の問題の平安時代の文化について問う問題でした。(2)の問題と同様に資料が何時代を指すかを理解しておくことは西京社会において、他の受検生に大きく差をつけることができます。必ず覚えておくようにしましょう。なお、問題文中の「すべて」という条件は皆さんよく注目できていました。この問題の正答率は約50ぺーセントの問題でした。
(ⅱ)の問題は藤原氏の「摂関政治」において、藤原氏がどのようなに力をつけていったのかを問う問題です。西京社会において、歴史の記述問題は頻出であり、歴史的事実を自分の言葉でできる表現力は必須です。なお、この問題の出来は比較的よくできていました。
問題5 福井県の漁業に関する問題
①「魚」の輸送についてあまり出来がよくありませんでした。「設備」を答える問題でしたので、冷蔵庫などの冷却設備について触れておいて欲しかったです。中には「コールドチェーン」と解答している人がいましたが、それは物流の仕組みにあたります。問題文を注意深く読み、思い込みで知っている言葉を書くことは控えましょう。
②あまり出来がよくありませんでした。キーワードとして「高速道路」が欲しい問題でした。上記の問題と同様に自分が知っていることと結び付ける必要がありますので、以降過去問やプラクティスの解き直しを通して訓練しておきましょう。
(2)比較的によくできていました。選択肢の中から正しいものを選ぶ時に、文章中の内容が正しいかどうかを判断すべきですが、その際に正確な知識が必要となります。みなさんが正しく知識を整理できていることがわかりました。
(3)
①比較的よくできていましたが、漢字の間違いが目立ちました。「裁ばい」漁業は誤りで、正しくは「栽ばい」漁業です。気をつけましょう。
②完答できている人は少ない問題でした。「放流」するというキーワードに触れられている答案は多くみられましたが、「育てる」というキーワードが抜けている人がほとんどでした。「栽培」は「育てる」という意味があるので、必ず入れておきたい要素になります。
(4)
①大変よくできていました。日本の周りを囲むの海の名前は押さえておきましょう。教科書には4つ載っています。
②比較的よくできていました。都道府県は4,5年生で習う内容ではありつつも洛北・西京の入試にて頻出です。ややクセのある問題として出題されるので、過去問やプラクティスで演習を重ねましょう。
③大変よくできていました。特にロシア「連邦」と漢字でかけていました。国名は1.正式名称 2.漢字で書けるようにしておきましょう。